TRAUMARIS|SPACEでは、EKKO (1982年大阪生まれ、東京育ち)の個展を開催します。
EKKOは「Nation」「World」「Nature」をテーマに、ペインティングやインスタレーションなど様々な手法で表現活動を続けています。
架空の国々の旗、世界のあちこちへ向かう道標といった、未知の世界に向かう希望にあふれたビビッドな色彩のモチーフ。
あるいはメキシコのアートフェア参加の体験から着想を得た、中南米特有のカラリと乾いた、逞しい生命力に満ちたタッチ。
EKKOの作品の世界には、街っ子ならではの洗練された仕草のなかに、1980年代生まれの世代が置かれてきたビターな状況で、精いっぱいに生命を謳歌しようとする強かなエネルギーを感じます。
なかでも2012年から制作している、荒涼とした砂漠や草原を遠く眺めるようにして、地平線にまっすぐに続く道を描いた”Highway” シリーズは、作家がいま生きる日本で感じている閉塞感と、未来の展望をテーマとしています。
本展ではそれらのペインティングのほか、フランスの孤高の画家ロべール・クートラスが生涯つくり続けたカルト(カード)にインスパイアされた〈EX VOTO〉(メキシコの絵馬)を無数に展示します。
さらに、女子にとってめんどくさい虫や日焼けなどと無縁に、思いっきりリラックスできる〈インドアフェス〉とそのシンボルである砂漠のテントなど、キーワードとなるイメージを集積した空間となります。
そして実際に会期中には、食と音楽とアートを楽しむインドアフェスのイベントシリーズが次々に登場します。
展示タイトルは「UN DIA」(ウン ディア)。
スペイン語で「ONE DAY」という意味です。
「作品タイトルを曲のタイトルから借りる事が多いのですが、今回は制作時によく聞いているアルゼンチンミュージシャン、Juana Molinaの歌から、シンプルで含みのある意味として『ある日』という言葉にしました。歌詞は直接関係ないのですが、良かったら聞いてみてください。いろんな音がぐわ〜と重なってどこか遠くに飛んで行く感じがとても好きで、影響を受けています』(EKKO)
ぜひご高覧いただき、周知にご協力を賜りますようよろしくお願い申し上げます。
TRAUMARIS アートプロデューサー・ライター
住吉智恵